ランドセルはデザインや機能に注目されがちですが、実は昔ながらの製法を忠実に守りながら、ランドセルとしての伝統を築き上げているものもあります。
職人のこだわりを感じつつ、子どもが使いやすいように工夫されているため、こだわり派にはおすすめです。
ここでは、職人の技術が感じられるランドセルをランキング形式でご紹介します。
こだわりのランドセルを見つけたい、誰とも被らないランドセルが欲しいという方は、ランドセル選びの参考にしてください。
職人の技術を感じるランドセルとはどんなもの?
職人のこだわりによって製造されているランドセルは、工房系ランドセルと呼ばれることがあります。
この工房系ランドセルには、自社独自の工房で製造されるものであり、大手ランドセルメーカーとは若干の違いがあります。
職人の技術を触って感じられるランドセルには、どのような特徴があるのでしょうか?
生産方法の違い
テレビCMなどで見かける大手ランドセルメーカーは、広く認知されているため、生産数も桁違いです。
そのためランドセルは専用の工場でミシンを使用し、大量に作られていることが多いでしょう。
一方の工房系のランドセルは、職人によって1つずつ手作りで仕上げています。
ミシンも使用しながら、重要な部分は手縫いにするなど、手作業を中心に行うのが特徴です。
素材の違い
大手ランドセルメーカーと、工房系のランドセルとでは製品にも違いがあります。
大手ランドセルメーカーでは、傷がつきにくく雨や汚れにも強い人口皮革が用いられていますが、工房系のランドセルでは天然皮革など素材にこだわっている所もあります。
そのため、似たようなデザインであっても素材が異なることで違ったランドセルに見える場合もあるでしょう。
数量の違い
大手ランドセルメーカーと工房系のランドセルとでは、そもそも生産方法が違っているため、数量にも大きな差が生じています。
大手ランドセルメーカーでは生産数が多いため、安定した供給が行われている一方、工房系のランドセルは予約制や生産数などを限定してしまうことが多いようです。
そのため、販売期間が限られているものや、市場にあまり出回らないランドセルもあります。
販売場所の違い
ランドセルは量販店や百貨店で見かけることがありますが、店舗で販売している多くのランドセルは、大手メーカーのものが主流になっています。
一方、工房系のランドセルは公式サイトなどのオンラインストア、また直営店のみなどの販売になるため、販売場所が限られているのです。
これも、大量生産できないなどの理由がほとんどでしょう。
どんな人に向いている?
職人のこだわりや味のあるランドセルは、どのような人の向いているのでしょうか?
このような工房系のランドセルは、以下のような人におすすめです。
- 誰も持っていないランドセルにしたい
- こだわりのデザインのランドセルが欲しい
- 自由なカスタマイズがしたい
- 値段は高くても質にこだわりたい
工房系のランドセルは、職人による手作りで作られているため、広く出回るほど製造されていません。
そのため、誰かと同じランドセルを持ちたくないというこだわり派にはおすすめです。
また、デザインも他のランドセルと少し違うものもあるため、自分だけのオリジナリティも追求できます。
他にもデザインや品質へのこだわりがあるため、他のランドセルと比較すると価格が大幅に変わってしまいますが、それでも伝統的な部分や本物に触れさせたいと考えるなら工房系のランドセルを選んだ方がよいでしょう。
職人の技術が感じられるランドセルランキング
職人の技術をしっかりと感じられるランドセルランキングはどれでしょうか?
ここでは、ランキング形式で紹介していきます。
第1位:中村鞄製作所
1960年に創業した中村鞄製作所は、当初よりランドセル作りを行っている老舗です。
職人によるこだわりが詰まっていて、大切な6年間になるように責任をもって寄り添っています。
時代に左右されないシンプルなデザインを追求しながらも、使い心地にこだわりを持っているのが特徴です。
NASAでも使用されているシャトルクッションを背中部分に入れていて、振動や動きに耐えられるように工夫されています。
耐久性にも優れているため、いつでも新品同様の使い心地が感じられるでしょう。
第2位:土屋鞄製造所
1965年に創業した土屋鞄製造所は、ランドセルを中心とした皮革製品の製造や販売を行っています。
東京の下町にあった工房で、職人1人とミシン1台から歴史が始まりました。
創業者の「ランドセルは子どもにとって人生最初の鞄である」という想いから、本物を届けたいと仲間が増えていき、現在も150以上のパーツと300以上の手技で仕立てています。
6年間最後の日まで安心して使用できるように、樹脂素材とスポンジでしっかりと芯を作り、細部に渡って丁寧に仕上げているのが特徴です。
色や革から、自分だけのランドセルを見つけることも可能です。
第3位:黒川鞄工房
明治の中期に創業した黒川鞄工房は、125年の歴史ある老舗です。
その中でもランドセルは100年以上の製造歴史があり、常に研究や開発を進めています。
18年前に子どもたちの使用する教材が大型化した際には、業界でいち早く対応した経験があります。
この経験から誕生した「はばたくランドセル」は、進化するスタンダードとして、今の子どもたちを支えています。
選べる素材、機能へのこだわり、さらに職人による手作りへのこだわりで美しくも使いやすいランドセルを提供しているのが特徴です。
第4位:ランドセル工房生田
一般社団日本かばん協会や大阪鞄協会などに所属しているランドセル工房生田は、「生田らしさ」を持ちながらランドセル作りを行っています。
ランドセルに対しての想いは家族によって異なることを考えながら、1つのランドセルへそれぞれの想いを込めて、ひと針ひと針を大切にしています。
かけがえのない6年間をランドセルの表情と共に歩んでいくため、工房では職人による300工程全てを自社で生産しているだけでなく、作業風景や現場への見学会も行っています。
これまでに、かばん創作技術ファッションコンクールでの大阪府商工労働部長賞、大阪市長賞など複数の受賞経験があります。
選ばれたランドセルはベストバランスを求めて素材や形、機能など多くのこだわりが詰まっているのが特徴です。
第5位:鞄工房山本
50年以上前からランドセル作りに取り組んでいるのが、鞄工房山本です。
1949年創業で最初は鞄を中心としていましたが、1969年からランドセル製造へ切り替えました。
そのきっかけとなったのは、創業者の長男でした。
息子のために最高の技術を詰め込んだランドセルを作りたいという想いから誕生したのが、鞄工房山本のオリジナルブランド「アンティークブロンズ」です。
その後、直接販売を経てオーダーメイドの受注をスタートさせ、2015年と2017年には経済産業大臣賞を受賞しています。
時代の流れを受け入れつつ、子ども達にとって快適な6年間となるような工夫がされています。
まとめ
ランドセルは、デザインや色などの他に豊かな機能性などで選ぶと思いますが、職人の技術を中心に選ぶことでランドセルの歴史や温かみも感じられます。
ランドセルは6年という期間、晴れの日も雨の日も、楽しい日も気分が沈んだ日も、そっと背中に寄り添ってくれる存在です。
いつも頼れる存在で、なくてはならないものなので、ランドセル選びは職人の想いや技術にも注目して選んでみてはいかがでしょうか。