一昔前と比較すると、ランドセルのカラーバリエーションの豊富さがより際立ち、お子さんと好みの色を見つけるというたのしみが増えたと喜ぶお母さんは多いのでは。
それでも、女の子はキラキラで可愛らしく・男の子はシンプルでクールなランドセル、というように、性別で大まかに分けようとする風潮はまだまだ健在です。
…もし、あなたのお子さんが男の子で、パステルカラーのランドセルが欲しいと言い出したら、どうしますか?
ランドセルの選択肢が増える「うらがわ」で起きている問題
黒と赤のランドセルを充てがうことが正解とされていた過去を思うと、大分自由度が増えた現代ですが、制服の性差をなくすなど多様性を尊重しようとする背景には、とある問題が深く根づいていたようです。
「『男の子は泣くな』『女の子なんだから脚を閉じて座ろうね』といった性別に押し込めた“しつけ”によって、子どもは自分を否定された気持ちになります。思春期病棟にいたときも自己肯定感の低い10代の子が目立ったことが気になっていたのですが、話を聞いてみると幼い頃から親に“自分らしさ”を認めてもらえなかった子はたくさんいましたね」
ピンクのランドセルを選ぶ息子とどう向き合うか
我が子が間違った方向にいかないようついつい自身の意見を押し付けてしまう両親ですが、一方子どもはというと、意思決定権を奪われ、人格を否定された気分になり、結果的に従わざるを得ない…というのが彼らの本音。
それでも、女の子が好きそうな可愛らしいランドセルを息子が「欲しい」と言い出したら、心配せずにはいられないのが親心というもの。
そういうとき、まず重要なのは、決してお子さんの決定権を奪わず、決定するまでのプロセスをサポートすることだそうです。
上下関係ではなく対等な関係性として、様々な選択肢があるという事実を伝えることでコミュニケーションをとる、そういったシンプルな人間同士の交わりを意識すれば、お子さんなりの「大切な答え」にたどり着けるのでは。