最近のランドセルは、汚れのつきにくい防汚加工をした商品が一般的です。ちょっとした汚れでも拭き取ればきれいになりますが、毎日アクティブに活動する子どもたちですから、自宅では落とせないような汚れを付けてしまうこともあるでしょう。
こうした汚れをきれいに落とすなら、専門のクリーニング店に依頼するのも一手です。クリーニング店では、日常的な汚れはもちろん、シミや黒ずみ、日焼けといった損傷にも対応できるところがあります。
そこで今回は、ランドセルのクリーニングを扱う業者の特徴やクリーニング費用の相場、利用するときの注意点などをまとめました。
ランドセルはクリーニング店でキレイに!
ランドセルを扱う専門クリーニング店に出すと、まるで新品のようにきれいな状態に仕上げてくれます。カブセに付いた汚れやシミ、背あての黒ずみ、時間割ポケットや前ポケット内の汚れ、金具のサビ、革の色落ち…といった目立つ汚れや損傷にも、クリーニング店なら丁寧に作業してくれますから、気になっていた部分も目立たなくなるでしょう。
こうした汚れや損傷は「通常使用の範囲内」として、メーカーの保証対象外になるケースがほとんどです。実費はかかりますが、「自分でクリーニングするのは怖い」「使い終わったランドセルをきれいに保存したい」といった理由で利用される方が多くみられるようです。
近所になければ宅配受付のクリーニングに
ランドセルのクリーニングを扱っているのは、主に革製品のクリーニングにも対応している店舗です。カバンや靴、財布といった革製品のクリーニングを扱っているところなら、ランドセルのクリーニングにも対応しているかもしれません。とりわけ大手クリーニング業者であれば、皮革専門のクリーニング技術者がいる会社もありますから、ランドセルのクリーニングも可能かどうか相談してみると良いでしょう。
近所になければ、ランドセル専門の「宅配クリーニングサービス」を利用するのも一手です。ランドセルを宅配便などで送り、クリーニングが完了したら宅配便で戻してくれるという便利なサービス。全国対応している業者もありますので、インターネットで探してみて気になる店舗に問い合わせてみましょう。
クリーニング以外のオプションも充実
ランドセルのクリーニング店では、汚れを落とすだけでなく、加工や修繕などに対応している店舗もあります。オプションとなるところが多いですが、一例として、以下のようなサービスも提供しているところがあります。
撥水加工
新品のランドセルには撥水加工がされていますが、使い続けるうちに加工した表面が剥がれて撥水性が失われることもあります。
クリーニング店のなかには「撥水加工」に対応しているところもあります。加工を施してもらうことで、新品のように雨や雪などをはじくように生まれ変わります。
消臭加工
背あてや肩ベルトなどに汗が染み込んで不快な臭いを放つランドセルには、「消臭加工」がおすすめです。汗のほかにも文房具や教科書の臭い、雨などの雑菌臭なども付きにくくなりますから、子どもも気持ちよく使えるようになるでしょう。
リカラー(補色)
リカラーとは、皮革製品に付いた傷やシミ、擦れ跡などをきれいに隠す技術のことです。汚れを落とすのではなく、特殊な染料で汚れを覆い隠す作業ですから、ボールペンやマジックなどの落書きにも対応できます。
なお、リカラーは牛革やコートバンなど本革のみに対応します。クラリーノなどの人工皮革は修繕できないのが注意点の一つです。また、きれいに補修してもらうには、熟練の革職人がいる店舗を選ぶこともポイントになります。
その他の修繕
このほかにも、大マチの内部などに繁殖したカビ取りにも応じるクリーニング店もありますし、ファスナーや金具などのメッキ加工や部品交換にも対応できる店舗もあります。ランドセルの症状に合わせて、どのクリーニング店に依頼するか決めると良いでしょう。
クリーニング費用はどれくらい?
ランドセルのクリーニング費用は、4,000~10,000円のところが多くみられ、相場は6,000円くらいです。なお、これはクリーニング費用のみの金額で、宅配サービスを利用する場合の往復配送料は別途自己負担になるのが一般的です。
このほか、オプションサービスの相場は以下の通りです。
- 撥水加工:2,000~4,000円
- 消臭加工:2,000~4,000円
- カビ取り:2,000~4,000円
- リカラー:1万~1万5,000円
- メッキ加工:1万~1万5,000円
- 色替え:1万8,000~2万円
- その他の修繕:6,000~1万5,000円
クリーニング店に出すときの注意点
オプションを含め多様なサービスを提供しているクリーニング店ですが、必ずしもすべての汚れや傷に対応できるとは限りません。汚れの成分よっては、クリーニングで対応できないこともありますし、大きな傷だとリカラーをしても不自然に残って見える場合があります。汚れや傷は高学年になるほど目立つようになりますから、3年生になったあたりでクリーニングすると美しい状態を長く保てるでしょう。
また、クリーニングの期間についても事前に調べておきましょう。通常であれば2週間~1ヵ月程度かかるため、夏休みなどの長期休暇に出したいところですが、依頼が増える時期ですから場合によってはそれ以上の期間が必要になることもあります。店舗によっては対応数を限定するところもありますので、早めに予約を取っておくと安心です。
まとめ
新品のランドセルには、もともと防汚加工や撥水加工がされており、さらに消臭加工や抗菌加工を施している商品も最近は増えています。それらの加工を長持ちさせるには、普段のメンテナンスが大切です。
雨に濡れたら乾いた布で拭き取る、日常的な汚れには中性洗剤などを使って落とすといったケアをこまめに行うことで、ランドセルを長くきれいな状態に保てます。また、ランドセルカバーや背あてカバーなどをつけておくと、万が一、汚れたときでも簡単に対応できます。
こうした対策をしても汚れや傷が付いてしまい、家庭では対処できないときにはランドセルのクリーニングを検討するとよいでしょう。気になる部分があればクリーニング店に相談してみましょう。