ランドセルを選ぶとき、素材にこだわっている方も多いです。6年間使うものですから、できるだけ良い素材のランドセルを買ってあげたいですよね。
ランドセルに使われる皮革素材には「革(牛革など)」と「人工皮革」の大きく2つに分けられます。このうち人工皮革には、「クラリーノ」「ベルバイオ」が代表的な素材です。
これらの素材には、それぞれメリットもあればデメリットもあります。ここでは、一般的なランドセルに使われている皮革素材の特徴についてご紹介しましょう。
ランドセルの素材:革の特徴
ランドセルの素材といえば、昔は革(牛革)が一般的でした。現在ではクラリーノなどの人工皮革のランドセルが主流になっていますが、見た目や感触などに高級感がある革は、いつの時代でも人気のある素材です。
一口に革といっても、いくつかの種類がありますが、ランドセルに使われることが多い素材は「牛革」と「コードバン」です。コードバンとは、馬のお尻の革。一頭の馬から取れる量は、ランドセルのかぶせ2枚分しかないため、希少価値の高い素材とされます。
革のランドセルを選ぶメリット
革の特徴は、耐久性に優れ丈夫なことが挙げられます。爪で引っかいても傷がつきにくい強固な硬さと、強い力で引っ張っても切れにくい堅牢さを兼ね備えているのが、革のランドセルのメリットです。
また、使えば使うほど身体の形にフィットする馴染みやすさも、革の特徴です。革は重いという短所がありますが、身体にフィットしたランドセルだと重さを感じにくく、子どもの負担を軽減できます。
そのほかのメリットとして、革にしか出せない独特のツヤ感も魅力の一つでしょう。好みはありますが、使い込むことで味が出て、より高級感を演出してくれます。
革のランドセルを選ぶデメリット
革のデメリットの一つは、水に弱いこと。雨に濡れたらすぐ乾いた布でふき取らないとシミやひび割れの原因になるなど、手入れが面倒な商品もあります。ただし、現在のランドセルに使われている革は防水加工が施されていますから、ちょっと濡れたくらいで品質が劣る心配はありません。
また、人工皮革と比べて重いというデメリットもありますが、先ほど述べたように重さよりも背負いやすさの方が重要です。ランドセルを購入する際は、子どもの身体に合っているか、フィッティングをされることをおすすめします。
ランドセルの素材:クラリーノの特徴
現在販売されているランドセルの8割近くが、人工皮革の商品といわれます。なかでも、有名な素材がクラリーノです。クラリーノは、特殊な合成繊維で作られた不織布に、ポリウレタン樹脂で表面加工した人工皮革です。ランドセルのほかにも、スポーツシューズや手袋、ソファやベッドといったインテリア商品にもクラリーノが使用されています。
クラリーノにもいくつか種類があり、光沢があって軽い素材もあれば、牛革のように光沢を抑え重厚感を演出した素材、撥水性に優れた素材など、さまざまな製品が展開されています。
クラリーノのランドセルを選ぶメリット
クラリーノの一番の特徴は、革よりも軽いことです。牛革のランドセルは1,300~1,500gくらいの重さが主流ですが、一般的なクラリーノのランドセルの場合、1,100g前後。革よりも200~400g、教科書1~2冊分くらい軽いので、子どもの身体への負担も軽減できます。
また、クラリーノの表面はポリウレタン樹脂で加工されているため、防水性や撥水性に優れ手入れが簡単なのもメリットです。革用クリームなども一切不要で、きれいな状態を長く保てます。
最近では、カラフルなカラーのランドセルも登場していますが、そのほとんどはクラリーノの商品。革と異なり染色も容易な素材ですから、豊富なカラー展開ができたのです。
クラリーノのランドセルを選ぶデメリット
革と比べると、耐久性で劣ることがクラリーノのデメリットの一つ。強い力で引っ張ったり、爪でひっかいたりすると傷がつく場合があります。
技術の進歩によって、最近では牛革とほぼ同じ強度や丈夫さを持つクラリーノのランドセルも登場していますが、こうした商品は一般的なクラリーノよりも重くなる傾向がありますので、重さを重視される方は事前に確認しましょう。
また、革の特徴に近しい商品であっても、革のように使い込んで味が出ることはないため、魅力を感じない方もいらっしゃるかもしれません。ただ、これは好みの問題ですし、いつまでも新品のような見た目を保ちたいという方にはクラリーノがおすすめです。
ランドセルの素材:ベルバイオとクラリーノの違いは?
人工皮革には、クラリーノのほかにも「ベルバイオ」という素材があります。
ベルバイオとクラリーノの違い何かといえば、製造しているメーカー(商品名)の違いです。クラリーノは「クラレ」という会社の商品で、ベルバイオは「FILWEL(フィルウェル)」という会社が生産しています。
メーカーが違えば素材の原料に多少異なる点もありますが、性能面ではあまり差がありません。ベルバイオも、クラリーノと同様に「革より軽い」という特徴がありますし、強度や重さ、防水性や撥水性、丈夫さといった性能も、クラリーノとほぼ同じです。
あえて違いを挙げるとすれば、見た目が牛革に近いのはベルバイオ。牛革の持つ独特な風合いにできるだけ似せた素材で、クラリーノよりもツヤがあります。ただ、これも最近ではツヤのあるクラリーノも登場していますし、機能的にはほとんど差がないといっても良いでしょう。
まとめ
ランドセルを購入するとき、「なんとなく革の方が品質は良さそう」「雨の日の通学を考えると人工皮革が良いかも」と考えながら、選んでいる方も少なくないでしょう。
ただ、ランドセルの素材は昔と現在とでは変わった点も多々あります。実際に、品質や耐久性といった機能面で比べると、革でも防水機能を備えていたり、クラリーノでも丈夫で耐久性に優れた商品があったりと、ランドセルメーカーの技術の進化によって、ほぼ同等のクオリティになっています。
どちらかといえば、ランドセルメーカーごとに素材の使い方や違いがありますので、素材にこだわっている方は、販売店の店員と相談しながら決めることをおすすめします。